行政書士・社会保険労務士永井弘行事務所
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日本の老齢年金を受け取れない外国人は、
脱退一時金を受け取ることができる場合があります
日本の老齢年金を受け取れないときは、外国人の脱退一時金として受け取ることができる場合があります。
外国人社員が日本の会社に6か月以上勤務して、その後に帰国した場合は、日本年金機構に請求すれば厚生年金保険の脱退一時金が支払われます。
例えば、日本の会社で年収300万円で3年間働いた外国人が帰国した場合は、日本年金機構に請求すれば約80万円の脱退一時金が支払われます。
これは厚生年金保険料を支払っても、日本の老齢年金の受け取ることができない外国人のために、「掛け捨て防止」を目的とした一時金です。
請求後に、日本年金機構から一時金として支給されます。
(注)脱退一時金の支給時には、非居住者として20.42%の税金が引き去りされます。これは後日、日本国内の納税管理人をとおして還付請求が可能です。
保険料の掛け捨てを防ぐための
「厚生年金保険料の払い戻し」に当たる脱退一時金
脱退一時金は、短期滞在の外国人を対象に、厚生年金保険から支払われる一時金です。
年金の掛け捨てを防止するために、外国人が日本出国後に日本年金機構に請求すれば、給与・賞与から引き去りされた厚生年金保険料が3年分を限度に払い戻しされる制度です。
日本の老齢年金は「年金に10年以上加入した人が、65歳以上になったらもらえる」制度です。
外国人が日本で5年間働いて母国に帰国すると、日本で支払った厚生年金保険料が「掛け捨て」になることがあります。
アメリカ、オーストラリア、ブラジルなど日本と社会保障協定を結んでいる国の外国人は、老齢年金の要件である年金加入期間を計算するときに「日本での年金加入期間」と「本国での年金加入期間」が通算されます。日本で払った厚生年金保険料が掛け捨てになりません。
しかし、まだ日本と社会保障協定を結んでいない国・地域の外国人は、日本での年金加入期間が本国の年金加入期間と合計(通算)されません。
日本と社会保障協定を結んでいる国は
ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバニア、(イタリア、中国、スウェーデンは署名済み)です。
なおイギリス、韓国、イタリア、中国は「保険料の二重負担防止」のみです。
これ以外の国は、日本と年金加入期間の通算措置があります。
老齢年金の支給要件を確認するときに、日本と相手国の両方の公的年金の加入期間(加入実績)が通算されます。
脱退一時金を受け取ると、脱退一時金の計算の基礎となった年金加入期間・加入実績は消失します。老齢年金を受け取るために通算される加入期間ではなくなります。このことは注意が必要です。
日本を出国後に脱退一時金を請求するか、または、将来の老齢年金を受け取るために日本の年金加入期間を残しておくか、どちらにするかは本人が自由に選択できます。
日本と社会保障協定を結んでいる国の外国人が脱退一時金を受け取ると、「脱退一時金の計算の基礎となった年金加入期間・加入実績は消失」します。つまり日本での年金加入記録(加入実績)が、無くなります。
そのため将来、老齢年金を受け取るために通算される加入期間ではなくなります。
このことは注意が必要です。
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